検査結果
診察を待っている間 昔見たテレビドラマのワンシーンを思い出していた
患者には本当の事を言わず 家族が後で呼ばれて本当の事を聞かされるというシーンだ
それだけは避けたいと思った
自分の体の事は自分が知っておきたかった
呼び出し器のブザーがなった
気合いを入れて診察室のドアを開けた
先生が不思議そうな顔をしてこちらを見た
カルテを確認してから
「診察はまだですよ。外でお待ちください」
と言った
呼び出し器を確認したら
診察室付近でおまちください のメッセージが入っていた
気合いを入れ過ぎた・・・(>_<)
もう一度ブザーが鳴り 診察室に入る
《正直に言ってください》オーラ
を醸し出しながら構えた
「やはりリンパ節のところにも転移があり、胸骨の所にも小さいのがいくつか見られます」
「そうですか」
きたきた でも私は大丈夫!
次の言葉に身構えて
《正直に言ってください》オーラ
を出し続けた
「でも、その他の箇所には見られませんので、手術は可能です」
最悪の事態は免れた
ほっと溜息をついた
抗がん剤の治療開始については 乳腺内科の先生と相談する事になった
乳腺内科の先生は 30代くらいの女の先生
ズバッと言う外科の先生と違って 優しい口調で説明をしてくれた
「手術前に抗がん剤治療を始めると二つの利点があります。まず、腫瘍を小さくして手術で取り出しやすくするという事。それからどのくらい抗がん剤が効いているのかを確認する事ができるという事」
今すぐにでも体の中からがん細胞を取り出したかったけれど
そうしない理由がわかった
「いつから治療開始になりますか?」
年内はいろんな予定を詰め込んでいたので気になった
「今日は12月23日ですから、できれば年内に始められるとよいのですが、予約状況見てみますね」
先生はパソコンの画面で確認をした
「年内は12月27日の14時半しか空いていないようですね」
その日は仕事の予定が入っていた
翌日は娘とジャズコンサートに行く約束していた
「年明けてからだといつになりますか?」
「1月の1週目は病院もお休みになるので、空いているのは3週目以降になります」
気持ちが揺れた
仕事を変更する事はできても 翌日のコンサートは行きたい
決心がつかず迷っていたら
先生の後ろに座っていた若い男の先生が声をかけた
「あなたのステージは3Cです。4の手前です。年内に治療受けられるのに、ここで3週間も遅らせたら5年生率、10年生存率を下げる事になりますよ」
ドキッとした
手術が受けられると聞いて 安堵しすぎていた
何事もなかったように 振る舞いたい自分がいたのかもしれない
でも がんが消えたわけではない
先生の言葉が現実に引き戻した
もしかすると
《正直に言ってください》オーラ
が見えたのかもしれない
有り難い一言だった
「27日にお願します」
覚悟を決めた
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最初の予約から、とても運良く進んでいますね。ほんと神さまに護られてます、感謝ですね。私はクリスチャンではないので神さまのこというのはおこがましいのですが^^; 貴女の覚悟が届いているんだと感じます。
時として神様は、私の計画とは違う事を提示されます。その時は「なぜ?」と思う事が多々とありますが、後から振り返ってみるとその時に必要な出来事だったのだと気付かされます。渦中にいる時は、ただ辛くて苦しいだけですが、必ず差し伸べて下さる手がそこにはあります。それが感じられるかどうかで、辛さも軽減できます。クリスチャンでなくても、それは感じることができるはず。単なる偶然ではなく、全て必然的な出来事です。乗り越えるヒントは目の前にあります。