病気の事
さて 子ども達にはどのように伝えよう
夫と話し合った
やはり年齢順に一人ずつがいい
夫が 長男には先に伝えておきたいと言ったので 最初にがん研究センターに行った夜 話をした
長男
26歳 独身 社会人
ペットや小さい子の世話好き マイペースで頑固 出産の時は逆子だった
夫が長男を部屋から呼び出した
椅子に座らせ 話を始めた
「お母さんが乳がんになった」
「えっ? どうゆうこと?」
すぐには状況が理解できない様子だった
「今日病院で検査をしてきた。結果は一週間後に出るけれど、もし癌が体に広がっていたら手術はできないらしい」
「・・・」
「抗がん剤治療もするから脱毛し、見栄えも変わってしまう」
夫は目に涙を溜めながら話をした
脱毛に関して 私よりもショックを受けている様子だった
「みんなでお母さんを支えていこう」
「ちょっと待って! 手術ができないと死んじゃうってこと?」
長男は少しパニックになっていた
確かに夫の話し方だと私まで落ち込んでしまう
「大丈夫だよ。そんな簡単に死なないから」
私は冷静に話をした
次男
24歳 独身 社会人 一人暮らし歴1年
子どもの頃から何にでも興味深々で 社交的で 広く浅くいろんな趣味を持っている
検査結果の夜 車で10分くらいのアパートに住んでいる次男を呼び出した
「お母さんが乳がんになった」
夫が暗い表情で話をはじめた
「えっ!」
やはり 次男も動揺している
「でも今日検査結果が出て、体全体には広がっていないから、手術が受けられることになった」
長男の時より ちょっと明るいニュースが伝えられた
次男は目に涙を浮かべながら 黙って聞いていた
「何かできる事はない?」
「抗がん剤治療の時、送迎頼む事もあるかも。よろしくね」
私は明るく答えた
三男には私から伝えると夫に話をした
あの暗いトーンで伝えたくはなかった
三男
21歳 大学3年生 ダンスサークル所属
一見頼りなさそうに見えるけど 意外に頼りになるタイプ
25日の夜 明日から友達と出かけると言ったので 急遽話をすることにした
「あのね、クリスマスの日にこんな話をするのもどうかと思ったんだけど・・・」
クリスマスに嫌な思い出を残したくなかったので 明るいトーンで話を始めた
「実はね、お母さん、乳がんになってしまったの」
「そうだったんだ・・・」
驚いた表情をしながらも 静かに話を聞いていた
「27日から抗がん剤治療が始まってね。その副作用で髪の毛も抜けちゃうし、今まで通りに動けなくなるかもしれない。お母さんは治療頑張るから、いろいろと協力してね」
「話してくれてありがとう」
涙を流しながら言った
「実は、今いろんな事を悩んでいて・・・ でもお母さんに比べれば僕の悩みなんかちっぽけで・・・ お母さんが頑張っているなら僕も頑張るよ。勇気をもらえた感じ」
そう言ってくれた 気持ちをわかってくれて有り難かった
長女
最後は高校2年生の娘
男兄弟の中の紅一点 我が家のアイドル的存在 私にとっては癒しの存在だ
男っぽいさっぱりとした性格だけど 思いどおりにいかないと拗ねてメソメソメソコちゃんになる
長男からは 自分が聞かされたようなショックな言い方はしないでほしいと念を押された
やはり相当ショックだったらしい・・・(>_<)
抗がん剤の治療が始まる前には伝えたかったので
26日の夜寝る前 一緒に布団に入って話すことにした
「あのね、お母さん、乳がんになっちゃったんだ」
そう言ったとたん強く抱きついて泣き始めた
私もギュッと抱きしめながら話を続けた
「明日から抗がん剤治療が始まってね。副作用で髪の毛も抜けちゃうし、体も思うように動かないかもしれない。だからお手伝いよろしくね」
娘はギュッと抱きつきながらうなづいた
その日は一緒の布団で眠った
翌朝 娘は何事もなかったように ケロッとした顔で起きてきた
「病院に行ってくるね」
「行ってらっしゃい」
笑顔で答えてくれた
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始めまして!
私もタイプは違いますが、昨年2月にオペ、現在はホルモン剤にて治療中の少しばかり先輩のガンサバイバーです。
ブログを拝読させて頂いていますと、告知された日やそして娘に話した時の事が蘇って参りました。
私も音楽を生業としておりますが、病を得て仕事に対する臨み方が大きく変わりました。
決して後ろ向きではなく、前向きな意味で10年を意識して暮らして行こうと思うこの頃です。
心強いコメントありがとうございます。病気を得て気付かされる事、たくさんありますよね。私も多くの気付きを頂きました。同じく音楽を生業とされているとの事、こちらも励みになります。一緒に仕事とサバイバー人生の共存を楽しみましょう。
病は自分だけの問題ではないですもんね。子どもたちに『伝える』ことは、夫に伝えるより『覚悟』がいることだと初めて解りました。4人のお子さんそれぞれの心中察するに余りあります。でも、つらい話だからと言って、ごまかしたり嘘で固めたりしないで本当良かったとも思っております。
子ども達に遺してあげる財産って何?と考えた時に、残念ながらお金は無理!🤚
でも、私がどのように病気を受け止め立ち向かっていったかいう証は残す事ができます。生きるという事は、楽しい事より大変な事の連続です。それをいかに楽しんで人生を送れるか、人生の先輩として見せてあげる事ができたら、こども達にとって大きな財産となるのではと思っています(o^^o)
見習います^ ^