戦場の夢を見なくなった

気持の変化

3ヶ月ほど前

あびこカフェに来て

「今私の心の中は戦場の中にいる」

そのように言った方がいた

( ﾟДﾟ)

心は戦場の中

でもあの後

彼女は

いろんなカフェに行き

自分の気持ちを

少しずつ整理していったようだ

(^’^)

再発という状況は変わらないけれど

会う度に

笑顔が増えてきて

どんどん

気持ちが変化していったのがわかった

(*^^*)

その彼女がね

昨日

あの日の事を書いた文を送ってくれた

とても

素敵な文章だったので

彼女の許可を得て

全世界に発信しちゃいます！

(^o^)／

「私はいま、戦場で戦っているのです。
どうしてここにいるのか自分でもわからない。
街を歩いていたら急に誰かに声をかけられて、ここに連れて来られ、わけもわからず戦っているのです。
うちに帰りたいと思うけれど帰り道がわからない。
ただ毎日、どうしてこうなってしまったのか考え続けているのです」
私はその日、小雨が降る午後の公民館の一室にいた。

今日、初めて参加したカフェのテーブルで　今の自分の気持ちを聞かれ、こんなふうに話した。
私は病気になり、これまでの生活が一変したことを　
突然、誰かにこれまでと違う世界に投げ込まれたように思っていたからだ。

夜が来ると同じ夢を見る。
夢の中ではすっかり安全なところに戻っていて
「なーんだ何事もなかったじゃないか」って安堵する。
でも目が覚めるとやっぱり私は戦場にいてあれは夢だったのかと心の底からガッカリする。
そんな毎日を送っていた。

私は癌が再発している自分の気持ちを戦場に例えることで上手くみんなの前で言えたような気がしていた。
でもその時、黙って私の話を聞いていた向かい側に座る女性が口を開いた。
「私は戦わない。私はその敵と一緒に共存して行く方法を考える」
「え？」思いがけない意見に驚いた。
彼女は戦ってはダメだと言う。だって味方が自分なら敵も自分だからだ。
「でも、でも　そうじゃない。私だって好きでここにいるわけじゃない。」
私は行き場のない気持ちに唇を噛んだ。

黙っていると　見かねたカフェの店長が
「貴方は　何が好き？何がしたいの？」と聞いてくる。またこの質問だ。
度々繰り返されるこの質問は　いろんな人の口から何度も私に問うてくる。
まるで神様がいろんな人を使って私に問いかけているみたいに。
私はしばらく黙った後に「わかりません」と答えた。　

カフェの帰り道、さっきの彼女と出くわした。
私は　燻っていた気持ちを投げかけてみた。
薄曇りのベンチに座り、彼女がぽつりぽつりと話し出す。
「最初はね　足が痛いなあ　と思ったの。なんの病気かわからなくて歩けなくなった頃にそれが乳がんの骨転移ってことがわかったの」彼女は病気のことも笑顔で話す。
病気のためにこれまでの仕事ができなくなったのだそうだ。
しかし、彼女の話はここで終わらない。
できなくなった仕事の代わりにこれまでやりたいと思っていたケーキ屋さんを始めることにしたのだ。
住んでいたマンションを売り、一軒家を買い　1人で改造してお店にしたのだという。
「え？そうなの？」
私は　彼女の小さな体から溢れるダイナミックな行動に驚いた。
彼女はシングルマザーであり、2人の子供も育てていた。
どこにそんなパワーを秘めているのか。

世の中に　お菓子作りの好きな人はたくさんいるだろう。
しかし、自分の店でオリジナルのケーキを販売するところまで行動できる人はどれくらいいるのだろう。
彼女はこれまでにいろんなケーキ屋さんを巡り、ケーキを買うついでに　どうやってお店を出したのかを
一軒一軒聞いてまわったのだという。興味深く、面白い話だった。
「こんな人がいるんだ」
私は　1人っきりの子育てやカフェを回り、試作品を作る彼女を想像してみた。
話に耳を傾けているうちに嬉しくて悲しくて面白くて、いろんな感情が私の中に湧き上がってきた。
「ここに、こんなに面白い人がいる！」
彼女の話は壮大な話なのか身近な話なのか私にはわからない。
でも、水平線の見える大きな海で大航海を始める一隻の船のようだと思った。
私を見る彼女の黒い瞳が力強く輝いている。

彼女と別れ、帰路につく車の中で　お土産のレモンケーキを一口食べた。
甘くて酸っぱいレモンの味はこれまでに食べたことのない1番の味だった。
食べかけのレモンケーキを見てさっきの彼女の笑顔を思い出した。

その瞬間、私の心の中に　「自分の大切なこと」を探す　女の子が現れた。
私はその子と一緒に　今からやりたいことを探すのだとわかった。　

いつのまにか雨は上がり　オレンジ色の夕日が遠くまで続く緑の草花の全部を柔らかく照らしている。
雨粒が残るたくさんの緑は風に吹かれて活き活きと波のようにそよいでいる。
私はその日から　戦場の夢を見なくなった。

彼女は今

自分のやりたい事を思い出し

それに向かって動き始めた

素晴らしいね

（＾ω＾）

樋野先生のよく仰っている言葉で

「他の事に目を向けて優先順位をさげる」

自分より困っている人に目を向けたり

自分のやりたい事に向かっていったり

すると

状況は変わらなくても気持ちは変化する

( ˘ω˘ )